ちま(の飼い主)七夕に願いを込めて。

2015.07.07 02:25|日記
ちまの、誕生日ケーキを買い求めに、
街中にある、ペットショップへ行きました。

※以下。
  いろいろ賛否ご意見あろうかと思いますが。
  ワタシ個人的意見として、この記事を書きます。


その店は、犬猫をクリアな陳列ケースに入れての、
”生体展示販売”店舗です。
なので、ワタシは、極力ゆくことを避けています。
答えは簡単。
展示販売されているいきものを見ることが、切ないから。

ちまの、ケーキだけ買って、すぐ出よう。
そう決意をして、入店しました。

が。

1匹のゴールデンレトリーバーの子犬が、
ケース外の、ゲージに入って、店内にいました。
その子を、ワタシは、見てしまった。
その子のことを、ワタシは、見つめてしまったのです。



0706rt (1)



そのゴールデンの子犬は、女の子。
【プライスダウン 特価!】の札が、ゲージにぶら下げられていました。
そして。
子犬だというのに、生気がなく。
ぽつねんと、背中を丸めて、ぼーっと。
ぼんやり、どこを見ているというでもない様子で、
無表情に、虚空に、視線を浮かべていました。

クリアケースに陳列されている超小型犬の子犬たちは、
夕食の前の運動よろしく、どの子もハッスルして、
与えられたおもちゃを、振り回して遊んでいました。

それもそれで、切ない。
切ないのですが、その子は、もっともっと、切なかった。
子犬の、遊び盛りなはずなのに、ぽつーんと、ひとりぼっち。
しっぽも地面に伸びたまま。
とにかく、虚ろな様子で、ぼんやり、座っているだけなのでした。

ワタシは。
ワタシは「いけない…」と思いつつ、
「ダメよ…」と分かりつつ、そのゴールデンの子犬に、
近づき、声をかけずには、おられませんでした。


小声で、そっと。
「どうしたの、おまえ。
元気がないの?
た。。。た。。。退屈してるの?…」と。

ゲージの真横にしゃがんで、そう声をかけたら、
ようやく、その子と視線が合いました。
(それまで、虚空を眺めているばかりで、
そこまで近くへよらないと、ワタシに興味を持ってくれませんでした!)

すると、いっぺんに表情が、明るくなったのです!
ぱぁーっと。
それこそ、いっぺんに、ぱぁーっと!です。

子犬の、それ。
子犬のときにだけ見せるような、
はじけた、浮かれた、とびきりの、笑顔!
垂れていたしっぽは、ぐんと上を向き、
はじけ飛びそうなほど、振りに振りに振って!



0706rt (2)



そうして、ここからが、泣けました。

狭い、小さな小さなゲージの中にある、3個のおもちゃ。
ひとつは、ゲージの天井から吊り下げられた、コットンロープ。
ふたつめは、ぬいぐるみのおもちゃ。
みっつめは、古びたタオルケット。

それをまず、ロープをぐいぐいっと引っ張って見せたのです。
「どう?これひっぱるのよ!ひっぱってこう、かむやつなの!」
子犬は、うきうき浮かれた様子で、ワタシに、そうして見せ始めたのです。

「そうなのそうなの。面白いね。楽しいね」
そう、ワタシは子犬に返事をしました。

「ちょっとまってね!おつぎはこれ!
ぶんぶんすると、たのしいんだよ!」
ぬいぐるみを、持って来たのです。

ゲージに、それを、ぐんぐん、押し付けてきました。
「そうね、そうね。ふると愉快だよね」
ワタシは、もちろん、ふると愉快を知っています。
ちまとの暮らしで、十二分に、その愉快を、知っています。

この子に、このぬいぐるみを引っ張りっこしてあげたい。
このぬいぐるみを、ぽーん!と遠く遠くへ、放り投げてあげたい。
うんとうんと遠くへ投げて、この子に、
全力で走っていって、取りにゆかせて、あげたい!…

そして、さいご。
次に、古びたタオルケットを、ぎゅーぎゅー引っ張って来て。
「みて。ね、みててね。これ、むぎゅむぎゅするとね、
へんてこなかたちになるの!おもしろいんだから!」

ゲージに寄り添ってしゃがむ、ワタシへ、
タオルケットも、押し付けて来て、見せびらかすのです。
そう。
それこそ、この子のご自慢なように。
ご自慢なように、ワタシに「おもしろいのよ」と、見せ付けるのです。

おまえ。
おまえ。
ワタシは、ゲージの上にぽんと置かれた、消毒液に目をやり、
しゅしゅっとしました。
【ワクチン未接種につき 犬に触れる前には 消毒して下さい】
そう、説明書きがありましたから。

しゅしゅっと消毒をして、右手の2本指で、
その子の背中を撫でました。
顔をうんと近づけると、その子は、ちょっと臭いました。
けものの臭い。
酸っぱいような。胸が痛みで、詰まるような臭いでした。

おまえ。
ね。
おまえ、ワタシはもっと愉快な遊び方を知ってるのよ。
おまえにも、教えて、あげたい。

どん!と外へ出て、思い切り、そのタオルケットを、
思い切り、わざと引っ張って、わざと取り上げて、
その子を、きゃっきゃ、言わせてやりたい!…

どうにも、してあげられない。

ワタシには、この子のことを、どうにも、してやれません。
そのぬいぐるみひとつ、大地の上へ、放り投げてやることはもちろん、
その子を外へ連れ出して、緑の上をお散歩させてあげることも、
風のそよぎを、体感させてあげることも。

何も、何も出来ないのです。

ゴールデンレトリーバーの女の子。
プライスダウンの札の下がっている、女の子。

ワタシに出来ることは、ただ、
早くこの子に、素晴らしい家族が現れますように!
そう、祈ることしか、出来ません。



0706rt (5)



乱暴なことを、言ってしまいますが。

野良猫や野良犬が、いいとは言いません。
もちろん、絶対言えません。
だけれども、でも。
でも、こうした”生体展示販売”で、ショウケースやゲージに入れられて、
ただひたすら、家族の出現を待つ。
それしか出来ない、この展示販売から
離れることが出来る方法が、それしかない、それしか選択肢を持たない、
この犬猫たちを見てしまうと、
明日をも知らぬ身ではありながらも、
野生を生きる野良たちのほうが、まだ、生きる希望がある気がするのです。

もしかしたら、明日には”保護”されても、処分されてしまうかもしれない。
もしかしたら、明日には、都会の交通事情から、事故死してしまうかもしれない。
明日には、殺鼠剤などをくちにして、突然死してしまうかも。
明日には、喧嘩で大怪我をして、深手を負って、死んでしまうかも。
もっと手前で。
食べるものにありつけず、餓死してしまうかもしれない。

でも。
でも、おのれで生きている、生きてゆくすべを、探すことは出来る。
もっと、乱暴に言ってしまうと。
生きることも死ぬことも、運命ではあるけれど、決まってはいない。
自由だとまでは言わないけれど、
それが、展示販売のいきものたちには、
それさえ、選ぶことが出来ない。
乱暴な自由を手に入れる手段さえ、持っていないのですから。



0706rt (4)



ペットショップで、素敵な出会いのあった家族も、もちろんおありでしょう。
そこを否定はまったくしません。それは論点ではないのです。

思い切っていってしまえば、ワタシが偶然出会って、
ちまを紹介してくれたブリーダーさんも、
”真っ当な”ブリーダーさんかどうか、もしかすると、分かりません。
職業として、繁殖業務をされていましたが、
トイプードルとマルチーズとブルドッグの繁殖家でした。
”真っ当な”業者さんなら、MIX犬は繁殖させない。
そう、インターネットで読んだことがあります。
そのとおりだなと、思いました。
MIX犬、つまり雑種を、わざわざ何も、プロが生産することはなく。
時代のニーズがMIX犬にスポットが当たり、
ニーズの高まりに合わせて繁殖させる。
これは、果たして”真っ当な”行為なのか。。。と。

でも、ちまに、出会えた運命は、
正真正銘、本当に、この世の喜びです。
喜びなのです。
そこに、真っ白に純白な正当性がなくても。


いきものとの出会いの”大正解”が、
拾ったもの、貰ったもの、譲り受けたもの、とは言いません。
ただ、ワタシの理想はありました。

昔むかし、知人が、会社帰りの夜遅く。
自宅へ戻っている道すがら(閑静な住宅街です)
角を曲がったら、ふと、足元に、小さなダックスフントがいて。
迷い犬だと思った知人は、
「どこから来たの?おうちへおかえり」とうながすも、
子犬はただしっぽを振って、着いて来る。
夜も遅いし、静かな住宅街とはゆえ、
交通事故に巻き込まれても可哀想。
一晩うちで預かって、明日朝から
ご町内を訪ねて回ろう。
そう思ったそうです。
それが、犬との出会い。

知人家族で、ご町内を聞いて回ったけれど、
該当するお宅なし。
それで、最寄の警察署に相談でも着ているかも、と
警察署へ連れてゆくと、連絡もなし。
警察へ預けると申し出たら、
「3日間署で預かるが、それ以降は保健所です」
そう警察官の方に説明を受け、
その瞬間「ではわが家で飼います!」と。

ダックスフント、にそっくりだから、たぶんそうだと思ったと。
顔も、まだ幼い雰囲気だったから、たぶんまだ子犬だったろうと。
その犬は13年間の生涯を、知人宅で幸せに暮らしました。

こんな、出会いの理想はあるけれど、
その後の中身で勝負!と思って、ちまと、一緒に暮らしています。



0706rt (3)



ペットショップのその、ゴールデンの女の子。

ワタシも長居は出来ない。
してはいけない!と、ゲージから、離れることにしました。

すると、その子は、ぱたっとうきうきごきげん遊びをやめ、
しっぽもじょじょに、下がり気味に。
ぶんぶんちぎれそうなほど、振ってくれていた動きも、
だんだん、弱くなってゆき、
古時計の振り子が、少しずつネジが切れ、止まってゆくかのように、
最後には、ぱったり。
すべての動きをやめて、
最初に遠くから見た、その子の、ポーズへと、戻ってゆきました。

ぽつんと、猫背で、背中を丸めて。
ぽつんと、ひとりぼっち。
ぼーっと、虚空を、どこかの空間を、ただただ、ぼんやり見つめて。


その日は、夕方から、京都はかなりの大雨でした。

雨合羽を着て、自転車にまたがっていたワタシ。
大雨が、顔を濡らしました。
ちょうどよかったと、思いました。
ワタシの号泣の涙と、だくだくの鼻水が、
大雨と入り交ざって、区別がつかなくなってくれて。


スーパーへ、大雨と涙でずぶ濡れになってゆくと、
店内に、七夕の笹飾りがありました。

【ご自由に どうぞ 願いが かなうと いいですね!☆】

七夕の織姫と彦星に、願いを込めて。
ペンをとって。

世界中のすべてのいきものが幸せで暮らせますように

そう書いて、ビニール紐で、結んで来ました。
あの子に、早く、どうかどうかどうか、
素敵な家族が迎えに来てくれますように。
ケースに収まっているあの子たち全員にも、
すぐにもすぐさま、素晴らしい家族が、来てくれますように。



0706rt (6)



ゴールデンレトリーバーの女の子。

大地を好きなだけ、縦横無尽に疾走出来ますように。
砂の上を、気ままに走ることが出来ますように。
芝生の上を、自由自在に駆け抜けることが出来ますように。



0706rt (7)



そして、野良で暮らすすべてのいきものたちへ。

思い切り、生きろ。
思い切り、逃げ延びて、思い切り、生きろ。
存分に自由に生きて、憂うことなく、生きろ。
明日をも知れぬその身を、どうあっても、生きぬけ。
野生である過酷さは、同時に、自由でもある。

世界中のいきものたちが、とにかく、とにかく、
幸福でありますように。
幸福でありますように。





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コメント

No title

こんにちわ。

本当にそのとおりです。
命を簡単に引き受けることなどできないし、
祈る事しかできません。

でもブログに、そのゴールデンの子ことを書いてくださりありがとうございます。

日本中にそのような子が、何万匹いるのでしょうか?
その子はうれなかったらどうなるのか?
命にセールだなんて。
河原町通りのミーナの近所のペットショップ、
可愛いと群がっている日本人を見て、外国の方が顔をしかめていました。
日本は本当に後進国です。

Re: お立ち寄り下さりありがとうございます

kako様、

こんばんは、初めまして。
お立ち寄り下さり、ありがとうございます。

kako様は京都にお住まいの方なのでしょうか。
ワタシもそのショップ、見たことがあります。
なんとも…胸が詰まりました。
絶句してしまう景色でした。

本当に、わが日本国。
いきものに対しての関心度合いが低過ぎますよね。
同感です。後進国。

すべてのいきものが、幸せで暮らすことが出来るよう、
京都市も、日本全国も、考え直して欲しい。
そう、強く願います!

長い文章、お読み下さりありがとうございました。
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