遠い思い出。

2014.12.16 21:45|日記
先日。
百貨店の食料品売り場で、買い物をしていたら、
店員さんに声をかけられた。
それは、とても不意打ちだったので、すごく、どぎまぎした。

「間違っていたらすみませんけれど。
もしかして○○○さんではありませんか」と。

その通りなの、その通りですとも△△△ちゃん!
気付いてくれたのねー
お懐かしい!とってもお元気そう!☆


自分の、この世に生まれた落ちたときの名前も、
今となっては、遠い昔の、懐かしい、記憶になりつつある。
旧姓のフルネーム。
ずいぶん久しぶりに、それを人から聞いた気がする。

店員さんの△△△ちゃんのことは、
すぐさまワタシは分かっていた。
中学生の頃の、友達の友達だった女の子。

ワタシは、人の顔に関しては、相当覚えている自信がある。
名前も、結構自信がある。フルネームで、言える。

懐かしい思い出に出会うことは、
狭い京都に暮らしていると、実は、実に、しばしば遭遇する。
阪急電車の中で。
病院の待合室で。
バス停の前で。
喫茶店の中で。
でも、ワタシからは、声をかけない。
忘れられているとバツが悪いから。
見栄坊だから。

だけれども、こころの中で
「あ。□□□ちゃんだ!元気そうだね」と思う。
それは、ときに、お子さんが何人もいたり、
見覚えのあるお父さんと一緒だったり(ご高齢になられたなぁと)
そこには、それ相応の、時間の流れも、一緒にある。



1202 (2)



今日。
とある百貨店の地下街で、
小学生の頃、とてもとても好きだった、ゆかりさん(仮名)を、見た。

ワタシの並んだレジの、お向かいに、ゆかりさんはいた。
ゆかりさん、はご主人なのか、恋人なのか、
優しそうな男性と手をつないで、お買い物をしていた。

ワタシはゆかりさんのことが、本当に好きだった。

ゆかりさんのお家には、大きな大きな紀州犬と、
小さな小さなミニチュア・ピンシャーがいて、
毛の長い猫も3匹、いた。

同じクラスだったけれど、あまりおしゃべりしたことがなかったのに、
あるときを境に、ゆかりさんとは、仲良しになった。

それは、幼い女の子の仲間うちで起こる、
嫌な感じで、陰鬱とした気持ちになる、ちょっとした【仲間外れごっこ】
その小さな順番が、ワタシに回って来たときのこと。

そういう行動が嫌だったワタシは、なんとかちゃんを仲間外れにする位なら、と
自分からそっと仲間を離れた。
誰ともくちをきかない、とまでは激しくない、ほんの少しの、いたずら、悪さ。
でも、ワタシはそれが嫌だった。
ゆかりさんは、物静かでおとなしいひとで、
そんな低俗な”ごっこ”からも、遠い場所にいた。
思えば、おとなだったのだと、思う。
ワタシより、ずっと。

そんなふうなとき、ふっとしたことから、ゆかりさんとお話したのだ。
「うち、子犬がいるの。名前はルゥっていうの」と。
ゆかりさんはそれに応えて、うちにもいっぱいドウブツがいるのよ、と。

家はお互い、近くて、ワタシはその日、
ルゥちゃんを連れて、ゆかりさんちに遊びに行った。
ワタシはそのとき、生まれて初めて、紀州犬を見たし、
ミニチュア・ピンシャーという犬種に触れた。
そして、覚えているのは、ゆかりさんちの
その紀州犬とミニ・ピンくんと相性が合わなくて、
ルゥちゃんは怖くて怯えてしまって、仲良しにはなれなかったこと。
でも、ゆかりさんは、ものすごくイキモノの扱いが上手で、
ハラハラするばかりのワタシより、うんと冷静に、
ルゥちゃんをなだめ、もてなしてくれたこと。

ゆかりさんは、本当に本当に優しい女の子だった。

それから、ワタシは、ゆかりさんと、
とってもたくさんの時間を、
ルゥちゃんと紀州犬たちと一緒に、過ごした。
穏やかなゆかりさんとの、本当に楽しい記憶たち。

ゆかりさんのお父さんは、体調不良で入退院を繰り返していた。
お母さんはお仕事で留守がちで、
お家に遊びに行っても、家の中はがらんとしていた気がする。

あるとき、お父さんの入院にともない、お引越しをしていったゆかりさんとは、
その後、ほんの数回、会って、それ切りになってしまった。

子どもの頃は、みじかな毎日の暮らしで、手一杯で。
遠くへ行ってしまった友達にまで、
そうたくさんの思いも時間も、ささげない、いきものの頃だったから。
思えば、とても、切ない。

ゆかりさんのお引越し先のお家へは、
バスを乗り継いで、何度か伺ったことがあるけれど、
何度か、お手紙のやり取りをしたけれど、
それ切りになってしまった。



1202 (3)



ゆかりさん。

百貨店の地下街で、見かけたとき、すぐワタシは気付いたよ。
ゆかりさんは、背が高く、髪の毛が天然パーマで、
ふわふわしていた。
何より特徴は、すごく鼻筋の通ったお鼻の先っちょが、
つんと上を向いていること。

お互い、年は重ねているね。
でも、ゆかりさんは、やっぱりとても優しそうだった。
優しそうなままだった。

ゆかりさん。
今も、犬と暮らしている?
今も、猫と暮らしている?

ゆかりさんが、とても大事に扱ってくれた、
あのときの子犬ルゥちゃんは、
あれから14年間ワタシと一緒に暮らしました。
可愛がってくれて、どうもありがとう。うれしかった。

ゆかりさん、ね、ワタシは今、
ちま、という子と暮らしているよ。
ちまは、ルゥちゃんより、気が穏やかな、優しい子なのよ。

とっても可愛い子よ。



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ちまを迎えたとき、ワタシはゆかりさんのことを、思いました。
思い出していました。

ゆかりさん、ちまという子、迎えたとき、こんなふうだったの。
ルゥちゃんに、ほんの少しだけ、似ているでしょう?
マルチーズだったからね、ルゥちゃん。
ちまは、半分、マルチーズだから。



1202 (5)



遠い昔の、幼いあのころ。
ほんのちょっとだけ、居心地の悪かったワタシに、
優しくしてくれて、ありがとう。
仲良しになってくれて、ありがとう。
ルゥちゃんに、良くしてくれて、ありがとう。

ゆかりさん。

京都市内に、また住んでらっしゃるのかしら。
それとも、近郊でしょうか。
いつの日か、もしまたすれ違うことがあったら、
ゆかりさんに、忘れられていても構わないと思えたら、
思い切って、声をかけてみよう。

お元気ですか。
お父さんとお母さんもお達者ですか。
いろんなことが、遠い遠い思い出になりましたね。
ほんの数歳だったワタシたちが、
いまや四十路も十分越えているのですから。

ゆかりさん、手をつないでいらしたあの方と、
どうぞ素敵なクリスマスを。

ずっと、お元気でいて下さい。



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