片側顔面痙攣・退院後初受診

2013.10.29 21:13|受:ワタシ病気録
片側顔面痙攣の手術後、初めての、脳神経外科医の術後受診をする。



退院してからちょうど2週間。
病院に向かう気分は、何とも不思議な思いがした。

ちょっと懐かしい場所へ向かうような、気分でもあり、
ちょっともう出来れば来たくないような、気分でもあり。


病院の正面玄関から眺める。

タクシーや自家用車で、朝から渋滞していて、
それにともない、通院患者さんやお見舞いの人々などで、
ホールの待合シートも、早くもぎゅうぎゅうになっていた。
病院は、本当にたくさんの人が集まる場所なのだなぁと、
改めて外来患者のひとりとして、訪問すると、そう、実感する。


大きな診察受付カウンターで、予約受診の申し込みをして、
脳神経外科の待合で、執刀医の診察を待った。
手術執刀医にお会いするのも、もちろん2週間振り。

普段のワタシはとてもおしゃべりで、ガハガハ笑う。
でも、医師の前では、緊張する。
緊張する最大の理由、それはやっぱり、
痙攣と耳鳴りが、継続して出ているから。
これが無ければ、スカーッ!とした表情で、
先生にもお目にかかれるのになぁ…と、ちょっとだけ、残念になる。



名前を呼ばれて、久しぶりに執刀医に面会。
あらましのお礼とご挨拶を申し上げ、すぐ話題は当然経過のこと。

医師の指示で「めをギューッ!と強くつぶって、パッ!と開けて!」を
数度くり返してみせる。
案の定、痙攣が出る。
手術した側の右目が、きゅっと、痙攣が出ると共に、縮じむ。

「うん。痙攣出てますね」と、医師。

ちゃんと、先生の前で痙攣が出て良かったと思う。
口で説明して「出たり出なかったりです」というだけよりも、
断然証拠として分かり、現状が伝わるから。

ただ、痙攣の頻度は穏やかになっていると思うこと。
痙攣している時間も、やや短くなっていると思うことなどを伝える。
それと同時に、耳鳴りが取れないことも、説明する。
新幹線の高速のときに、飛行機の高度にいるときになるような、
耳の奥底で”キィーン”となるような、そんな感じで、
目を強く動かしたり、強く口元を動かしたりすると、なると、説明する。
ただ、それも、以前ならまばたきをするたびに鳴っていたように思うが、
それは少し軽減された気がする、とも、話す。

「とにかく、入院中にお話している通りです。
何度も申し上げていますが、少なくとも、3ヶ月は様子を見ましょう。
私としても、術後にピタッ!と治ってくれるのが
一番嬉しいし有難いんですが、こればかりはどうしようも出来ません。
おひとりずつ、治る経過も違います。
ゆっくり痙攣が治まる人もいれば、なかなかそう行かない人もいますから。
とにかく3ヶ月。
経過観察して行きましょう」


「3ヶ月して、さらにもう少し見てみて、
それでも痙攣具合が…ということになるようだったら、
そのときは、また今後のことを相談しましょう」とも言われる。

恐ろしいような。
ガッカリするような。

でも。
”不治の病”でないから、また何だったら手術すればいいのだ、
と思えば、まぁいいか、などと思ったりもする。
開き直りとは、このこと。
”治す手立てがあるということ”
それだけで、まぁもぅ御の字だと、思えば、思える。
(半べそかきながら、だけれど:苦笑)


医師は傷口確認もして下さり「もうパーマでもカラーリングでも
お好きにどうぞ。シャンプーも恐々でなくても大丈夫」と、言って頂く。

首筋がまだ”寝違え”のように痛む、と言うと。

「首筋の筋肉を切って、また縫合しているので、
縫っても切ってもいない側から、引っ張られるような感じはあると思います。
でも、時間とともにその痛みも消えます。
痛いからと動かさないでいることは、必要ないです。
ぐりぐり動かして貰って、ぜんぜん大丈夫です。
むしろ普通に動かすことで、筋肉というのは弾力があって、
収縮性もあるので、伸びやかになると思います」

恐れてばかりで、恐々だらけのワタシ。
こういう、怯えて大事過ぎる方が、むしろ治りの遅延を引き起こすのかも。
適度な運動の重要性を、また、改めて実感。


また1ヵ月後に、執刀医に、受診。
そのときは、もう少し、いろんなことが和らいでいてくれるといいなぁ。


ちなみに、社会復帰。
「もう存分にして下さい」とのこと。
医師におおらかに、そう言って貰うと、気が晴れた。
痙攣と耳鳴りくらい、何さ。
今までの暮らしを取り戻す。
会社に戻り、勤労してサラリーを頂き、
帰り道に食材を買って戻り、家事炊事をする。
友達とときどきお茶をして、無駄話をして、
上司や社会のぶうぶうで、立派なクダを巻くこと(笑)

今は、オットとのんびりくつろぎ、
ちまと気ままにお散歩に出かけ、遊ぶ。
これだけをして来た、この、2週間。
そろそろ本当に、元の暮らしに戻るときが来たと知る。

傷口が、とてもかゆい。
治りだしている証拠。


頑張ろうと思う。




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入院中いろいろ良くして下さった、
穏やかで暖かい、大部屋の皆さんに面会に、入院病棟へ向かう。

この通路は、外来病棟との大きな境目。
この通路の向こう側は、入院患者とその担当医と看護師さんの世界。

入院をする日、初めてこの通路を、案内して下さる看護師さんと、
両親とオットと歩いた。
みんな口が重たくて、誰も馬鹿な言葉を使わないで、歩いた。
この角の向こうにあるのは、日常とは完全に違う世界。
その、通路だ。


ワタシは入院中、ここを何度も通った。

となりの病棟にある売店に向かうときに。
外来病棟の中にある、コーヒーショップへゆくときに。
お見舞いに来てくれた、母の親友おばちゃま達をお見送りするときに。
出勤前に、タクシーを飛ばして会いに来てくれていた、
オットを仕事先へ送り出すときに。
そして、もちろん、毎日朝晩、様子を見に来てくれていた、
両親や姉家族を出迎え、見送るときに。

日常から来る人々と、入院患者として
この病棟の部屋に”住む”ことになった、ワタシとのかきねは、
本当にこの通路の、こちらと向こうの、差なのだった。


今は、ワタシは外来患者として病院に来て、
この通路は、ただの見舞い客として、通る。

それはとても、たんなる訪問者ののんきさを、有り難く思った。
そして、それと同時に、またいつか、
この通路の向こう側の人になるかもしれないとも、思った。
とにかく、何とも言いがたい、
とらえようのない、透明な気持ちになった。




DSC039341011 (2)




2週間前までワタシの”居場所”があったフロアにつく。

でも、もう入院患者ではないので、ナースステーションに
”面会者”の一覧へ、ワタシの名前と面会相手名を記入する。


看護師さんの数名の方に「あ、ルゥさん」と、お声をかけて頂く。

「見違えるように元気そうで、良かった!」と、
口々に言って頂いて、その優しさに、感激で泣けて来る。

うんと良くして下さった、美しい若い看護師さんと、立ち話をする。
退院後、自宅に戻って過ごし出すと
「自宅に戻ってホッとしながらも、うんと良くして下さった、
病院の皆さんのことを思い出して、ぽかんと寂しくなりました」とお話したら、
「そんな風に思って貰えて嬉しい」と、笑顔で言って下さった。

いつもいつも、ワタシの体調を気にかけて下さってありがとう。
早朝から深夜まで、ワタシの様子を見守って下さってありがとう。
暖かい声援や応援のお言葉を、かけて下さってありがとう。
ありがとうの言葉を、看護師さんに言えるだけ、言った。
「でも、来たくない場所ですよね、病院ですもの」とも言われた。
そうであるような、そうでないような、空間。


執刀医には外来でお会いしたけれど、
医長医師とはお目にかかれないので、どうぞ宜しくお伝えを、と言うと、
つい今さっきまでこのフロアで、患者の回診をされていたと聞き、
タッチの差でお会いできなかった。
残念。
医長医師にも、大・大・大・感謝を、2週間経っても
改めて言いたかった。


大部屋でご一緒だった皆さんに、面会に伺う。
おふたりがおられる。

「すごく元気になられて!誰かと思いましたよ!」と、
ものすごくものすごく、面会での再会を喜んで下さった。
ワタシも嬉しくて、お互いに手を握り締め合う。
ちょっと、泣いてらした。
ワタシも、感動する。


ひとりの方は、先週末退院されていて、
また2週間後に再入院で、抗がん剤治療の3クール目だと聞く。

ふたりの方がおられて、そのうちおひとりは、
近日中にご退院。
今回の治療で、晴れてすべての卒業。
ただ、いろんな数値が思わしくないということと、
ちょっとお辛そうなご様子だったので、早々にベッドへ戻られる。
もうひとりの方は、ご様子も良く、ずいぶんお喋りをする。

「5日前から再入院しているの。
まだ1週間も経ってへんのに、もぅ時間が長くて長くて…
しんどいわ。。。ほんとに、しんどい」と、
笑いながらため息を深くされる。
でも、この治療を越えなければ「本当の春は来ないと思てるから」とも。

食欲が少し減退していて、でも血糖値が安定しないから、
おやつは控えてと、ご自身でいろいろ考えてらした。
「食べることだけが、入院してると楽しみ」と。
今日のお昼ご飯が”鍋焼きうどん”だから、期待してる、と。
次の外来診察のときには、持って伺ったお菓子だけではなく、
何かご飯の友みたいなものも、贈ってみようと思う。


「恐ろしいような手術、よう決心しはって。頑張らはったね。
ご家族の皆さんも、ほんまに喜んではるでしょうね。
ワタシもルゥさんのお元気な今に会えて、ほんまに嬉しい。
よう会いに来てくれはって。
元気貰った!」

帰り際、そう笑って言って下さって、泣いて下さった。


ほんの短い数日間のことだったけれど、
ワタシの過ごしたこのフロアの、あの病室では、
本当に小さな”家族”になっていたと思う。
それも、お互いに、本物の家族とは分かち合えない、
病人としての辛さやしんどさ。
手術を経験した者同士の、怖さや不安。
入院患者として、双方で支え合う思い。
そういう暖かくて、それでいて、切ない関係が、あった。

ワタシと皆さんとの間には、
確かに、確実に、思い合う気持ちが、ある。


また来月、お会いしに伺います!
そのときには、またおしゃべりしましょう!
どうぞ、お辛いでしょうが、治療に専念して頂けますように。
そして、願わくば、その治療の辛さが、今後の皆さんの、
すべての不安や恐れを払拭するものでありますように。




入院病棟をあとにして、実家へ歩いて向かう。

外に出たとき、病院を振り返って、写真を撮る。
手術を決意して、手術に備えたプレ検査を受診した
あの日と、同じ角度から。

そのときに咲いていた花が、まだしおれながらも、あった。
思えばまだ、そんなに昔の話ではないのだなと、感慨にふける。
時間の流れには、ときどき、本当に、不思議に思わせられる。





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気長に、ゆこうと思う。

また来月、片側顔面痙攣の経過を見せに、この病院へ来る。
気長に。
気長に。




DSC039341011 (4)




実家に以前、押し付けた(笑)
頂き物の植物『ハカラメ』が「これだけ育ったわよ」と見せて貰う。

たった1枚の葉っぱだったのに!スゴイ☆
成長していた。

「添え木もして、大事にしてるの」と、母もご満悦。
押し付けたワタシだけが、妙な感動。

術後は、やたら小さなことでも大きなことでも、感激する。
ひとが素直になったのかもしれない。
人柄も上等になるといいな。




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