片側顔面痙攣・術後8日辺りから退院前日

2013.10.22 02:02|受:ワタシ病気録
朝6時頃。



病院が動き始めるのに合わせて、洗顔をしたり着替えをしたりする。

寝巻きを1日中着ていると、気分がものすごく【病人】になるので、
先生に”動け”と言われてからは、寝るとき以外は
普段着で過ごすようにする。


希望の大部屋に戻ったので、また皆さんと、
暖かくて優しい時間を一緒に過ごす1日が始まる。
皆さんの朝は、病院と同じくとても早起き。
「明るいと気分がちょっとでも上向くから」と、
朝日とともにカーテンを開けて、光を取り込むので、
病室だけれど、開放的で心地良い。

「お散歩行って来ます」と、各自体調が良ければ、病棟の外へお出かけ。
【いってきます】【ただいま】と言い合う、この部屋で過ごすうちに、
まるで小さな家族だなぁと思う。




術後9日目になり、ついに抜糸。


朝の医長の、いつもの傷口テープ交換。
「今日、半分程度、抜糸しますね」と、
ベッドの上で、パチパチ切って、引き抜かれる。

初めての抜糸体験に、ドキドキしたものの、
痛みは、髪の毛をチリッと引っ張られる程度の痛み。
抜糸といっても、糸を抜かれているというより、
ホッチキスの芯を真ん中で切っているだけ、という感覚。
「イテテッ!」と小さく声が出てしまったときには「終わりました」と、先生。
残る半分は、明日抜糸。

あともう半分で、シャンプー!☆
胸が待ち焦がれて、躍る。



首筋の痛みと、引き攣れるような右側の重さは、継続中。
痙攣も、しばしば、ビシビシと。

先生が、抜糸後、じーぃーーーっとワタシの右目辺りを、観察。
(これが恋人なら、間違いなく、ちゅーの距離:笑)
ちょうどそのときに、大きく痙攣。
耳鳴りも同時にしていることを、告げる。

「ちょっと、時間がかかるかもしれないですね」と、先生。
幾人も患者を診て来られている医師が、そう言われるのだから、
ワタシはもしかしたら、本当に満足出来る状態になるまで、
時間を要するのかもしれないと、思う。

先生は「毎日こればかりで申し訳ないのですが、
それもこれも、日にち薬で。そう思っていて下さい(笑)」
マスクから出ている先生の目が、毎朝毎夕、
これを言われるたび、微笑で、細くなる。
それを見るのが、すごく楽しい。
そして、先生にそう言われると、本当に、ホッとする。




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朝昼晩の食事を、食堂でお部屋の皆さんと一緒に頂く。

家族からの差し入れの自家製お漬物や、
ちりめん山椒のふりかけなど、いつものように、
皆さん持ち寄って、振舞って下さる。
ワタシも両親が持って来てくれる、巨峰など、持参する。

皆さんワタシの今回の手術に関して「そんな手術、初めて聞いた!」と、
ものすごく興味を持たれ(笑)ワタシもどんどん、
手術の経緯や方法の詳細などを、知る限り、事細かに披露(笑)
「きゃー怖いー!」とか「よぅしたね、そんな恐ろしいことー!」などと、
皆さん恐怖映画並みのゾワゾワを感じて下さったようで、
お話したワタシも、大満足(笑)


週末と連休が来るので、先日の血液検査の結果が良かった
お二人の方が、無事退院に決まる。
一人の方は、このクールにて治療は完全終了。
もう一人の方は、また2週間後に再入院で、再治療。
抗ガン剤治療は、治療の2日後辺りになってからが
一番しんどいとおっしゃった。
それでも”退院”が目前になったので、
本当にお顔が晴れやかだった。

他にも、同じ退院日の方がいたりして、
食堂ではほんの少しだけ、ほんわりした空気があった。

ただ、それは本当に、ほんの少しだけ。

他の皆さんの多くは、まだまだ先の長い治療中。
中には先の見えない治療の方も、いる。



ワタシが入院した当日のことだった。

ある男性がその日で退院ということで、食堂がちょっと華やいでいた。
誰ともなしに「おめでとう」と祝福を送る。
でも、その喜びの男性が食堂をあとにされたとき、
テーブルにいた数名の男性が
「退院するときは、そっと出て行って欲しいなぁ…」と言われた。
「そうやなぁ。あの人最近見かけへんなぁ、で、分かるもんな。
そんな感じのがえぇなぁ」と、また一人の男性。
そして。
「うらやましいからなぁ…」と。
その場にいた皆さんは、何となくしんみりされた。

『退院』という喜ばしいことも、ここでは受け取り方が繊細になる。
そういう、配慮の病院マナーを、ワタシも少し学んだと思う。



病院食も食べているし、大部屋にも戻ったしで、
両親には「もう大丈夫だから、お見舞いイイヨ」と言うのに、
毎日両親は来てくれた。
痙攣の具合を、関心ないフリをしながら、凝視していたり(苦笑)
両親はまだ、気持ちが落ち着かないようではあったけれど、
それでももう退院の日が見えたので、日々少しずつ
いつもの両親らしく、朗らかな表情になっていた。
ワタシも本当に、ホッとする。



晴天だったので、せっかくだから、うんと高台にある
この病院の屋上から、京都市内を一望したいなぁと、
とある看護師さんとの、おしゃべりのついでに、言ったら
「屋上に行く道順が、ややこしいから」と、わざわざ案内して下さった。

病院は、京都市内を一望出来る、西側の山の手にある。
京都タワーが見えるだとか、大文字はあそこだとか、
子どものように、ふたりであちこち、指差して眺める。

空気が高く高く巻き上がるように、吹く朝のこと。
爽快な気分だった(首筋はまだまだ、鈍く重く、痛いけど)




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翌朝。
医長に残り全部、抜糸して貰う。



先生に「これで最後です」と、引き抜かれるも、
やはり抜かれた感は無し。
ただ、髪の毛をキッ!と、引っ張られたような感覚。

「もう頭洗って貰って構わないです。
ただ、今日は抜糸をしたところなので控えて貰って、
明日ならもう、いつでもどうぞ」と、先生。

思う存分、好きなだけ洗いたかったので、
モノは試しと、実家で思い切りシャンプーして来たいと、願い出ると、
先生は、しごくあっさりと「それもいいですよ」と。

美容室で洗うように、上向きで洗髪するよう、指導を受ける。
かつ、傷口は「泡立てた泡で、ふわふわっと洗うように。
爪は立てないで」とのこと。
傷口は完全にふさがっているから、安心してどうぞ、とも言って頂く。




看護師さんの毎日の、血圧測定と検温が、
ワタシのことは”どーでもイイ”扱いに、ますますなる(笑)

廊下ですれ違うときに「あ。ルゥさん。あとで行きますね」と言われても、
実際に来られるのは、うーんとあと(笑)
午前中が消え、午後2時頃に、ようやく。
夜も最終盤の、消灯間際の8時過ぎなどになる。
何だか、お姫様から格下げみたいで、寂しい(笑)


少し読書をしたり、オットに電話をかけたり、
食堂でお茶など飲んだりして、消灯まで過ごす。
病院での毎日のリズムが、ある意味心地良く思う。




翌朝、いつもの医長の傷口確認。


実家でシャンプーのあと、消毒など必要ないのか聞くと、
「ぜんぜん要らないです。安心して下さい」と、先生。

抜糸も完全に済んだし、傷口も大丈夫。
ならば、もう先生の朝夕の回診も、終了なのね…と思い、
「毎日本当に有難うございました」と、心からご挨拶申し上げると、
「いや、明日朝も、念のため、洗髪後の傷口確認に来ますヨ」と、先生。
14日(祝日)は「休みます」とおっしゃっていたのに、
優しい…☆
惚れてまうやろ~~~だ。


外出許可の申請書を貰いに、ナースステーションにゆく。
看護師さんが「先生から聞いてますヨ」と、
先生の許可入りの用紙が、すでに準備されていた。
(ありがとうございます、先生☆)

「ルゥさんは明日退院だから、もう取っちゃいましょう」と、
【コブタちゃんコード】を、ハサミで切って取ってくれた。
ワタシはもう、患者ではなくなった。
2週間右腕に付いていたので、いざ無くなると、
何だか不思議な感触がした。
これで、毎日様子を見て下さっていた、
医長や看護師さんから、関わりが遠のくのだな…
そう思うと、ちょっとだけ、バーコードの無い腕が寂しい気もした。
”病院”から自由になってゆく喜びと同時に、思うこの寂しい感じ。
不思議な気持ちになる。




ワタシの外出には、時間制限がもう特に無いそうなので
(点滴も検温も、もう何も無いのだから、そりゃそうだ)
朝早々から夜の消灯手前まで、実家に戻ってのんびりすることにする。


姉が車で、朝9時に病院まで迎えに来てくれる。
ワタシが車に乗るなり、姉が「臭いよー!」と、鼻をつまんでイヤイヤをした。
実家に着くなり、姉に子猫がつままれるようにして(苦笑)
背中を押されながら、お風呂場にゆけーと言われる。
両親と感激のおしゃべりもそこそこに、
念願だったシャワーを満喫する。

シャンプーは2度洗っても、脂のぬるぬる感が取れず、
3度目で、ようやく髪の毛が、さらっとした。

傷口は、切り口に沿って盛り上がっていたし、
触れると、ゴワゴワと硬く、抜糸のあとの
肉の引き攣れみたいなモノもあった。
本当に”大きく切って、縫合した傷跡”というものだった。
生まれて初めての、手術の傷跡。



両親が「本当に、事故も何も無く済んで、ホッとした」と、
何度も胸をなでおろすので、ワタシも良かったなぁと、つくづく思う。

姉が車で、出来立てのお赤飯を求めに、美味しいお店まで買出しに行ってくれて、
みんなで小さく、お赤飯でお祝いをする。
のんきな時間を、またこうして家族で過ごすことが出来た。
これからは、またいくらでも出来る。
何でもなかったことが、今ではものすごく有り難く思う。

母が「ちょっと、じっくり見せて!」と、ルーペで(笑)
傷口の様子を観察したり、三角定規で傷口の長さを測ったりする。
無事手術が済んだおかげで、恐ろしく見えていた傷口も
だんだん母の興味の対象になりつつある(笑)
「約14cmの傷。大きいわねぇ!」と、妙な感嘆の声をあげていた。



実家で、のんびりゆったり過ごしたあと、
夜の8時頃に、姉にまた病院まで送って貰う。
母は「明日の朝、食べなさいね」と、
お赤飯のおむすびをひとつ、こしらえて持たせてくれた。
明日の朝ごはんも、おめでたい感じになるなぁと思う。


退院前夜の、入院最後の夜。

館内消灯の夜9時の手前に、ゆっくり、時間をかけて
洗顔と歯みがきをする。

あらましの荷物は、もうまとめてある。
最終的にしまうものは、お茶やお水を飲むカップだけ。
熱いお茶をプラスチックのコップで飲むことと、
ストローでお水を飲むことは、独特な味がして
最後まで苦手だった。
でも、このコップ達には、2週間、お世話になったなぁと思う。


読書も特にせず、10時の完全消灯まで待たずに、
ベッドサイドの電気を消す。

この一晩が明けたら、退院。
シャンプーもしたし、思うことは、ちまのことだけ。

あと何時間かで、ちまに会える。
その胸のときめきが、押さえ切れないことと、同時に、
腕の【コブタちゃんコード】がもう付いていない、
ほんの少しの寂しさを、やっぱり、思う。

患者ではなく、ただもう、
病院のベッドで寝ているだけのひとになった夜だった。






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コメント

Re: 鍵コメント様へ

鍵コメント様、

片側顔面痙攣でお悩みなのですね。
心中お察し申し上げます。

ワタシが診察を受け、手術をした病院は
京都の西の方向にある”K”という総合病院です。
(ネット上の公開になりますので、念のため、
アルファベット表記のみにて失礼致します)

大阪・京都・滋賀・兵庫等関西一円には、脳神経外科はものすごく沢山あります。
あなた様のご納得なさる病院、医師、施設を
お探しになられ、よりよき選択をなさって下さいね。
お大事になさって下さい。
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