入院に向かう坂道にて

2013.09.29 14:53|受:ワタシ病気録
片側顔面痙攣の手術に備える、プレ検査と
家族(オット)への執刀医から手術説明を受けるために、病院へ向かいました。

オットは仕事を半日遅刻で臨んでくれて、有り難かったし、
何よりオット自身が、執刀医に面会して
「安心しておまかせ出来そうな先生で、良かった」と言ってくれました。
それが、とても嬉しかった。

ワタシがお世話になる病院は、京都の西の方の山裾にあって、
ものすごく急な坂道の上にそびえたつ。

病院に向かう道のりも、長い長い坂道。
小さな花壇が、ずっと続いている。



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執刀担当医は、いつもの、明朗快活な声でもって、
オットを交えて、ワタシの撮影した頭部CTを、モニタリングしながら
いろいろ説明をして下さいました。
医師との面会は、トータルで40分くらいはあって、
質問にも丁寧にお答え頂いてと、みっちり、話をして下さいました。


手術の方法は、かねてより聞いているとおり。

◎頭皮を切開して、頭蓋骨に500円玉強の穴を開ける。
 硬膜を切り、ついで髄膜、くも膜下を切り、ようやく脳に到達。
 【ひと】として生きるために重要な存在の”脳幹”のそばにある
 神経と、小脳などに触れながら、とある神経を接触して圧迫しているであろう、
 接触部位を探し、触れないように、処置を施す。◎

頭蓋骨に穴を開けるので、小脳や血管が空気に触れるため、必ず、腫れる。
これはもう絶対、腫れるらしい。
なので、術後にめまいや吐き気などが、起こるという。
ただ、4~5日しんぼうすれば、必ず収まると。

「処置は、こちらが部位の状況を見て、最適だと思ったことをとらせて貰いたい」と医師。

一番最善法として考えているのは、ワタシの脳内の中の、筋肉を使うこと。
接触部位の近くの筋肉を数ミリ削いで、それを使って、接触しているところを離すのだそう。
自分の持ち物で処理出来るなら、それが一番拒否反応も無いし、
また、当然だけれど、異物残留をせずに済むから、と。
それが無理そうなら、クッションを挟むとか、セロテープで貼る(!)とかするそうです。

「場所が場所なだけに、こちらとしても、最大限の慎重さで、挑みます。
術後も負担の極力無いように努力します。
でも、ただやはり、ひとがする行為ですし、手術ですから、何が起きるか分からない。
そういうことも、十分理解をお願いしたい」と、執刀医は言われました。


この片側顔面痙攣の手術で、せっかく頭蓋骨にまで穴を開けたのに、
結局、原因が分からず終了したという例も、ある。

手術は無事成功したのに、痙攣が治まらなかった例も、ある。

術後数年経過してのち、また再発する例も、ある。

接触部位を見つけて、処置をしたのに治らず、
再度手術を受けたら、その処置の奥の奥側にも接触部位があった、例も、ある。


いろんな、いわば残念・症例の例題を、たくさん示されました。
つまり、どの道筋をたどっても、
9割は成功するけど、1割程度は残念なことになる。
それは、どうあっても、の、絶対・黄金比率のようにでした。

残念なことには、なりたくないなぁ。
そう思いつつも、ワタシは、医師の説明を聞けば聞き進むうち、
何だかすごく、不思議な気持ちになっていました。

何をどう置き換えても、90%の成功と10%の無念がある。
それはどこまで行ってもそうなのだ。
こうなったときコレをして、9割成功、1割残念。
またそれを…と、どこまでも、90%と10%が、ついて来るのだ。

何だか”マトリョーシカ”みたいだなぁ。
そう思いました。

大きな”成功マトリョーシカ”の中に、小さな”残念マトリョーシカ”があって。

その”小さな残念マトリョーシカ”を開けると、
そこにはまた次の”小さな残念マトリョーシカ”が収まっている。
またそのマトリョーシカを開けると、10%の確立で、
”残念マトリョーシカ”があるのだ。

そうやって、マトリョーシカを開ける、90%と10%の世界。
小さなマトリョーシカがあるのを見たとき、
それをまた開けるかどうか。
もし開けたとして、もしそれをどんどん開け続けててゆくと、
マトリョーシカは、どんどん小さなサイズになってゆき、
ミクロのミクロのミクロのミクロになってゆく。
最終的には、それは【点】になって、
最終の最終の最後には【無ゼロ】になる。
その【無ゼロ】っていうのは、ふっと消えるのかな。

あぁーなんかすっごく、コスモを感じるわぁ。。。宇宙。。。。。。

ってそんなこと思っている場合かってんだ!(苦笑)
ですけれども。

神妙な顔で、ワタシの横で、医師に質問するオット。
オットなりに納得したかった、終盤の質問が、こちら。

「ツマは術後、サッカーでヘディングも出来るんでしょうか」

コラーァ!なんだよ、その質問ーーー!!!(大汗)
ワタシ、サッカーしてないしー!
って、ほらぁ先生も呆れておいでだーってもー何なのぉーぃ!(大汗:苦笑)

オットのこういうトンデモナイ発想は、
でもやっぱりワタシの暮らしの大切、なのでした。

長く病院に付き添ってくれて、どうもありがとう、オット。
ワタシの入院中、ちまのこと、くれぐれも頼んだよー!☆☆☆


朝から出かけて、帰宅時は、夕暮れどきに。

オットは仕事があるので、頃合を見て職場へ向かい、
ワタシは頃合を見て待ち合わせをしていた、両親と、
うんと遅いランチをしに、ファミレスへゆきました。

朝から何もくちにしていないので、ワタシは空腹で、倒れそう。
すごいボリューミーなランチセットを注文して、
ようやく落ち着いて両親を見ると、
両親はものすごくしんみりした顔をしながら、ワタシのことを見つめていました。

「大変なことになっちゃったわね」と、母。
「大変なことだけど…でも、大変じゃないんだよ。
 だって、アタシが選んだことだからさ」と、ワタシ。

「おまえ、すげぇな」と、父。
「なんで?」と、ワタシ。

「だってそんな大きな手術迎えるってのに、
 よーまぁそんな大量のごはん、食べられるよな!
 パパなら、落ち込んで怖くて不安で、食欲無い、無理!」

パパ、お腹減るのと、手術は”別バラ”です(苦笑)
そんなへんな感心、しないよーに(笑)


病院からの帰宅で使った、阪急電車。
平日のまだ帰宅ラッシュの混雑前の頃。
こういうのんきな時間に、また何も思わずのんきに、乗りたい。



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プレ検査のその日は、血液を3本、試験管?に抜かれ、
止血時間を計るということで、耳たぶを少し傷付けて、計測。
身体測定をして、尿検査。
心電図や肺活量を計って、胸部レントゲン撮影。

十分これで検査したと思うのだけれど、
入院2日間でも、まだ検査があるようです。
ワタシ、あんまり腎機能がパッとしない感じらしいので、
(毎年の健康診断で、尿検査でしばしば要注意△印、付きますので)
そういう基礎健康のトコロより、今回手術延期ーとかになったらヤダなーと思ったり。

入院する病院へ向かう坂道では、ここまで来ると
怖いなぁという気持ちよりむしろ、ついに来たなといいますか。
挑んだ気持ちでは無いのだけど「するべきときが、来た」なと思いました。

退院する病院からの、下りゆくときの坂道では、
ワタシはどんな気持ちになっているのでしょう。
清清しい思いがいっぱいで、マトリョーシカを感じないで済んでいますように☆



新しい職場で親しくなった数名のスタッフが、
毎日とてもココロを配って下さっています。(ありがとう)

その中で、とても愉快なのが、
夜にアルバイトで勤めている、京都のとある超有名大学の法学部学生くん。
見た目”ガテン系”というか。
やったことナイというのだけれど、ラグビー選手か柔道選手のように巨体。
でも、とっても優しい男の子。

手術後の入院中、すごく退屈をしたら(そうあって欲しい)
ちょっと英語の文法でも、再勉強し直そうかなぁー。
そう男子くんに言ったら、薦めてくれた本(辞書か!)が、こちら。

「高校でも薦めてて買わされた本です。
一番分かりやすく書いてあると思う」とのこと。確かに。

「めまいや吐き気や頭痛が治まって、どうにもこうにもヒマになったら、
眺めとくわー」と言ったら「文法だけだとつまんないし、
一番いいのは長文読みまくることですよ」と、男子君。
勢いついて、いろいろ問題集も薦めて来てました。
いやいやワタシ、大学受験しなおすワケじゃないからさ(笑)

「この本、使うページだけで言うと800ページくらいでしょ。
毎日100ページ程度暗記してったら、1週間もあれば、イケますよ」
って、法学部ー!美大出身をナメるなよー(苦笑)
鉛筆デッサンと石膏デッサンで受験したような、大学受験者と、
地方進学高で、バリバリに勉強した頭脳明晰な受験者と、一緒にするなー(笑)

大きな大きな強面の男の子が、会うたびにちょっぴり、心配をしてくれる。
ほんとに、とっても、嬉しい。



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入院・手術をもう、数日後に控えているワタシは、
思いのほか、穏やかな時間を過ごしています。

オットは欲しいデジカメがあるようで、
「退院祝いに、もう買っちゃう?!☆」と、連日ワタシに
電化製品店から貰って来たパンフレットを、見せに動いてます。

って退院祝いって、今言うかーっ!
入院もまだしてないじゃんー(苦笑)

でも、退院には、確かに思いは、走ります。
爽快な思いでありますように。


初体験のことだらけで、戸惑いはもちろん山盛りのまま。
でも、確実に言えることは、ちまに会いたい一心で、
転がるようにして、駆け出していることだけは、間違いなし。

ちま、待ってて。

ちまと離れて暮らすことになるのは、本当に初めてです。
だから、ワタシは、きっと泣く。
病院に向かう車の中で。
いえ、きっと、ちまに「お仕事に行って来るからね。
今日もいいこでいてね」という、毎朝の出勤時の台詞を、
入院に向かう当日の朝に、ちまに告げた辺りから、きっと、泣く。
検査待ちの病室でも泣くでしょうし、食事中でもきっと泣く。
病院関係者の皆さんに「あのひとそんなにしんどいのね…」なんて
あらぬご心配をおかけしてしまいそう。
でも、きっときっと、泣く。

ワタシの流す涙は、全部、ちまのものです。
ちまのために、ちまのためだけに、ワタシは涙を流す。

ちま。

ちまは、泣かないでいてね。
ちまの分まで、ワタシが泣いておくからね。

ちま、どうかどうか、泣かないでいて。
すぐに戻ります。



0010921 (2)



先日コメントをお寄せ下さった、
ワタシと同じ時期に同じ手術をなさるダイゴロウ様、お元気ですか。
もうじきですね。
お互い何とかいろいろ乗り切って、頑張りましょうね☆



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コメント

No title

こんばんは
ルウさん いよいよですね。
いつも通り愛らしいちまちゃん
そして
愛情たっぷりのジョークを炸裂して下さった
素敵なダンナさまに囲まれて
とても穏やかに過ごされているご様子ですね。
良かったです。

月並みな言葉ですが
あえて言わせて下さい。

がんばってきてください!

ちまちゃん まってます!
いいこで待ってますよ!
私たちも待ってます!

お帰りの際は
「ちまちゃんとこれからやりたいこと」でいっぱいの
マトリョーシカ(サイズは特大)を抱えて
るんるんと坂道を下りて来てください。

退院後のブログ画像は
おにゅーのデジカメでね!

Re: お優しいコメントをありがとうございます☆

ココノイエ様、

お優しいコメントをありがとうございます。

奮闘して来ます。
頑張って来ます。
ありがとうございました!☆

もうすぐですね

ルウさん。こんばんは!
記事にまで書いてくださって、ありがとうございます!

事前検査と説明に行かれたのですね。
私は前回の診察時に説明を先生から10分ほどあり(詳細な説明は入院後にあるのかも)、今日の午後に採血やCTなどの検査を受けに行く予定です。

リスクや後遺症など色々考えすぎたら、確かに怖いですよね。。
でも、この苦しさ、煩わしさをそのままにして生活するのも、もうシンドイし。
もし、そのシンドサを排除できるなら、ルウさんの先生の言う所の90%に賭けてみてよいのかと、思うようになりました。
100%成功する手術というのは、人間の能力的にありえないし、逆にそれが実現できる先生は怖いですよねw

周囲は大丈夫か?とか、怖い手術だよね?とか聞いてきますが、他人にしてみたら自分の身体ではないだけに、心配するしかないと思います。
ルウさんの旦那さんの、コメントが良いですね。サッカーのヘディング。。
私もかれこれ何十年もやったことがないです、w
たぶん、よほどの衝撃にも耐えられるのでしょうか?という意味で聞きたかったのですかね?(^o^)

お互い、いよいよ「時」が来るのを一緒に迎えましょう☆
入院~退院までの不安な時間も、励まし合える仲間がいると思うと、本当に力強いです。

では、また。
訪問させてください。

私の今、使ってないブログをお知らせしました。
愛犬の写真が貼ってあります。
私も、彼女が入院中、心の支えになりそうです♪




Re: お互いに頑張りましょうね!☆

ダイゴロウ様、

わーっ!☆
お立ち寄り下さってありがとうございますー☆

思うことはいろいろあるような。
でもよくよく考えてみると、実は無い。
そんな不思議な気持ちで今います。
ダイゴロウ様は如何でしょうか。

ワタシは【血】が大の大の苦手で、
【血】をほんの一滴でも見ると、それこそ血の気が引くタチで。
なので、麻酔で何も知らない(血を見ないで済む!)ことは、
何よりも有難いです。
ただ、全身麻酔経験者から「術後の麻酔からの回復が、
しゅっと出来る人もいれば、めっちゃシンドい人もいる」と聞き、
ちなみにその人は「めっちゃシンドかった方」と。
起こりうる事態を想像しては、どきどきしたりはらはらしたり。
でもまぁこればかりは、記事にも書きましたが、
どこまでいってもバッチリOKの%と、ものすごくガッカリの%があるので、
まぁ考えても仕方の無いことです…よねー

戦う、という気持ちではなく、引き受けた、という気持ちです、本当に。

> お互い、いよいよ「時」が来るのを一緒に迎えましょう☆
> 入院~退院までの不安な時間も、励まし合える仲間がいると思うと、本当に力強いです。

ダイゴロウ様、こちらこそ本当に、そのお言葉、思っております。

このブログに訪ねてきて下さって、コメントをお寄せ下さってこその、この関係!
本当にワタシからすればハッピーのタナボタです(笑)☆

検査中も「ダイゴロウ様は、今頃何か同じように検査かなぁ」とか
そんなことを思いながら病院で過ごしていました。
また、ダイゴロウ様のドクターはどんな方で、
どんな施術をなさるのかなぁとか。

術後の経過はもちろんのこと、退院までの日数や
自宅療養での具合も、ひとそれぞれでしょうけれど、
帰宅しましたら、ワタシのこととして確実に記事にします。
なので、ぜひまたお立ち寄り下さい。
励ましあいましょう!なんて(笑)

お聞かせ下さったダイゴロウ様のブログも、拝見しました。

すっごい可愛いワンコさんですね。
とても人柄の良さそうなワンコさん。

離れることは本当に辛いですよね。。。
でもまた戻って爽快に一緒に暮らす!
そう確信して、お互い奮闘しましょう!

ワタシは10月1日に入院です。
ダイゴロウ様はいつでしょう。

医師に「くれぐれも風邪引かないように」と
指示されたので、今もぅドキドキしています。
京都は朝晩どん!と冷え込み、
外出すると咳をしている人が多いので、うつらないか心配で。
(もぅ早く入院したいです!)
ダイゴロウ様もどうぞお気をつけて☆

またはつらつ気分で、お会いしましょう!(ブログで)
ご訪問ありがとうございました☆
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