最期のときの、希望。

2017.02.24 02:17|日記
勤め先で、仲良くして貰っている、
うんとうんと年下の若い女の子スタッフちゃん。

お昼休憩のときなんかに、一緒になると、
ほのぼの~とした雰囲気の彼女。
キッツキツ多忙な職場の中で、ホッとブレイク。
おしゃべりするだけで、ふわっと、和む。

そんな彼女が、年明けから、少し休みがちになっていて。
頻繁にマスクも着用しているから、
体調不良なのかな、くらいにしか思っていなかった。
それが、
違う部署の上司から、こそっとモレ聞こえて来た。
おかあさんの具合が悪いらしくて。
ずっと病院に付き添っているらしいよ、と。

そうか…心配だなあ。。。
おかあさんも勿論心配だけど、
ご家族も、ご心労やお疲れが、それは出るよね…
そう思っている間に、
先日、社内連絡で、報告がもたらされた。

「おかあさんがお亡くなりになられたので、
○○さんは、しばらくお休みされます」


そして、先日、彼女は職場に復帰された。
「私事で、大変ご面倒おかけしました」と。

少し痩せていた。
もともと華奢な女の子だったのに。
まるで、かげろうのように、
はかなく見えた。
透き通るみたいに、はかなく見えた。


おかあさんは、50歳だった。
お亡くなりになられた享年は、50歳だった。

彼女のおねえさんは、去年の秋ごろ、結婚をされている。
おかあさんも、お式に参列なさっていた。

お悔やみを、なんと申し上げたらいいのかと思いながらも、
ワタシは、職場復帰した彼女に、お悔やみを申し上げた。

彼女は、こう言った。
会うなり、こう言った。

「私もおかあさんに、
お嫁さんになった姿を、見せたかったです。
いつか、もしも、私が結婚するときが来ても、
おかあさんに、もう見せられないんです。
花嫁姿。
この姿をおかあさんに見せたかったって、
きっと、私は絶対に、思います。
だから、私は一生、
残念で、
悔しくて
悲しい思いを持ち続けるんです」

そう言って、彼女は、号泣した。
みるみる涙が溢れて溢れて溢れた。
右手で、ぬぐっても、
左手でぬぐってもぬぐってもぬぐっても。
涙が止まることはなく、流れ続けた。

ワタシも、泣いた。
鼻水も何もかも、ワタシも、流した。

そんなこと言わないで。

おかあさんも悲しまれちゃうよ。
おかあさんを、つらくさせないであげて。
おかあさんの方が、きっと。
きっと、彼女の数万倍も、
心残りだっただろうと、思う。
こんな、可愛い娘さんを残して、
川の向こうへ渡ってしまわれた。
本当に、さぞ、ご無念だっただろうと、思う。

こんなにも、悲しいお悔やみって、ない。

子どものころ。
ご近所の、おじいさんが亡くなった。
ぜんぜん親戚でも何でもなかった方だったけど、
ご近所みんなご愛用の、なんでも屋さんを経営していたから、
誰からも愛されていて、
誰もかれもの、みんなの<おじいさん>だった。
そのとき、おじいさんは当時、ものすごいご長寿さんで、
90歳はゆうゆう、越えていた。
だから、お葬式だのに、誰ぁ~れも泣いていなかった。
「大往生」
「ご立派」
みんな、おとなたちは、そう言ってて、
へんな言い方だけど、
とってもほがらかなお葬式だった記憶がある。

そういうのが、一番いい。
本当に。
最高の最期だと思う。
最高に、理想的だと思う。


でも、人生、何もかもそうはゆかない。
憧れと現実は、違う。
かけ離れている。
かけ離れてゆく。
遠い。
まぼろしのように、とらえようがない。

50歳でお亡くなりになられた、
女の子のおかあさん。

いくつでお亡くなりでも、
それはそれはもちろん、言葉にできない悲しみがある。

ただ、どなたにおかれても、
真剣に、
精一杯
生きて来られていた。
そう、信じて、お見送り申し上げたい。
そこに、ほんのわずかであったとしても、
残された中に、
一粒の救いの思いを、そっと、心に、持ちたい。

もう何年かすれば、ワタシも50になる。
60にもなる。
70にもなる。
明確に言うならば、
いずれも、いつか、なる、かも、しれない。
ワタシの年齢が、いつまで続くのか、分からない。
ただ。
命の終わりのときが来る。
そのときは、かならず、やって来る。
希望は、誰も泣きませんように。
ワタシに対して、一滴の涙も、
誰からも、どうか、落ちませんように。
それが、ワタシの持っている、
ワタシの人生の最期の希望だ。



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コメント

No title

わんこかわいい!僕も毎日聞いているんだよ。

Re: お立ち寄り下さりありがとうございます☆

サン様、

お立ち寄り下さり、ありがとうございます~☆

わんこ可愛い!ワードは、
本当に日々1000万回はいっています。
「ちま、可愛いね~」
「ちまちゃん、ほんとにカワイイねえ!」
と、ちまとすれ違うたび。
ちまを見るたび。
ちまをなでなでするたび、言っています。
ちま=カワイイ と言っているので、
ちまは、自分の名前を
<ちま可愛い>だと思っているかもしれないです。

サン様も、毎日聞いてらっしゃるということで、
サン様の本名も<サン可愛い>さん、かもしれません。

もう、たまらんですはい!♪


> わんこかわいい!僕も毎日聞いているんだよ。

No title

おかあさまが亡くなられて、とても辛いお気持ちが痛いほどわかります。
いくつになっても親の死は悲しいですから。
でもルゥさんが一緒に泣いてくれたことが、彼女にとって癒しだったと思います。

Re: 暖かいお言葉、ありがとうございます

そら太朗ママ様、

暖かいお言葉をお寄せ下さり、有難うございます。

> いくつになっても親の死は悲しいですから。
もう、これを想像するだけで、倒れそうなワタシです。
なので、この職場の娘さんのお立場を思うと、
もう本当にワタシの方こそ、実のところ
悲しみに暮れ過ぎて、失神しそうです。
親のさよならをどうにか見ずにいたい。。。
でもそれはまず難しい話ですものね。
おとなになることは、本当に、ときに、辛い。
引き受けねばならないことが、増えてゆきます。


> でもルゥさんが一緒に泣いてくれたことが、彼女にとって癒しだったと思います。
少しでも彼女の気持ちにそえることが出来れば、と思います。
辛い今を乗り越えて貰い、彼女のたくさんある未来が、
お亡くなりになられたおかあさんも、お喜びになられるような、
素晴らしいものであるように、と願ってやみません。

No title

わがやも歳を考えれば、人ごとではないのです。自分では決められないからこそ、元気でいたいと思います。延命措置はしないでね、とお互いに話していますが、、、。子供には何もしなくて良いから息だけしてね。と言われているんです。お母さんもどんなにか心残りだったことでしょう。おじいちゃんのように、迎えたいですね。

Re: お立ち寄り下さりありがとうございます

サン様、

お立ち寄り下さり、有難うございます。

命の終焉を迎えるとき、誰かの人生の最期に立ち会うとき、
どのようなかたちが、最適なのか。
ものすごく難しく、切ない問題だと思います。
難問。。。
でもいつかそういうときは、必ず来る。
自分のことはもとより、
周辺の人々の、さよならのときに立ち向かう勇気が、
まだまだワタシにはありませんが。
出来るだけ、穏やかなものとなりますように、と。
ただただそれだけを願っております。

サン様のご家族の皆様、
どうかうんと長生きなさって下さい。
どなたさまにおかれましても、
どうかうんとうんと、長生きなさって下さい。
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京都のすみっこから、オットとマルプー・ちまとのんびり暮らす日常を気ままに綴ります。

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